抵当権抹消のために何をする?手続きが必要なシーンや流れ、費用について
カテゴリ:司法書士コラム
住宅ローンを組むときには通常、「抵当権」を設定します。これにより金融機関が担保を獲得しているのですが、ローンを無事完済できたときにはこの権利を抹消する手続きが必要です。
日常生活でなかなか出会う機会のない手続きですし対応に困る方も少なくないと思います。当記事で抵当権の抹消手続きについてご紹介しますので、ぜひご一読ください。
抵当権抹消の手続きが必要になるシーン
抵当権とは「債務の担保として不動産に設定される担保権」のことです。
住宅ローンでは、その担保として土地・建物に抵当権が設定されるのが一般的です。
ローンを完済しても、抵当権の登記は自動的には抹消されず、不動産登記簿に残ったままとなります。登記簿から抵当権の記載を消すには、法務局で「抵当権抹消登記」を申請しなくてはなりません。
具体的にどのような場面で手続きが必要になるのか見ていきましょう。
住宅ローンを完済したとき
もっとも一般的なケースです。長年返済を続けていた住宅ローンを完済後、金融機関から抵当権に関する書類が送られてきます。
毎月の返済を続けて完済する場合もあれば、退職金や相続などでまとまった資金が入り繰り上げ返済で完済するケースもあるでしょう。どのような形で完済したとしても、抵当権抹消の手続きは必要です。
金融機関によって、完済後すぐに書類を送ってくるところもあれば数週間かかるところもあるため、書類が届いたら速やかに手続きを進めることをおすすめします。
借り換えをするとき
より低い金利のローンに借り換えるときも、通常、既存の抵当権を抹消する登記を行います。また同時に、新しい抵当権の設定登記も行います。
手続きを誤ると、融資条件である抵当権の順位を確保できなくなるなど重大なトラブルが起こる可能性がありますので、注意が必要です。
不動産を売る予定があるとき
家を売るときも、最終的に買主へ引き渡すには抵当権を抹消しなくてはなりません。
※所有権移転登記と同時に申請するのが一般的。
売却代金でローンを返済するなら、決済日(引き渡し日)に完済と抹消手続きを同時に行います。
なお売却時の抵当権抹消は、不動産会社や司法書士が関与して進められることがほとんどです。売買代金の受け取りと同時にローンを完済し、その場で抵当権抹消の手続きを行いましょう。
抹消手続きの一般的な流れ
手続き自体はそれほど複雑ではありません。大まかに分けると次のような段階を経て完了します。
- 金融機関から書類を受け取る
ローン完済後、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が送られる。完済を示す証書、登記識別情報、委任状など。 - 登記申請書を作成する
法務局に提出する申請書を準備する。様式は法務局のWebサイトまたは窓口から入手可能。不動産の地番や家屋番号などを、登記事項証明書を確認しながら正確に記入。土地と建物がある場合は両方を記載。 - 法務局で申請を行う
必要書類を揃えて不動産の所在地を管轄する法務局で申請する。窓口での提出のほか、郵送やオンライン申請も可能。オンライン申請は事前登録が必要だが、法務局に出向く手間が省ける。 - 登記の完了を確認する
申請から通常1週間程度で登記が完了する。登記完了証を受け取る、登記事項証明書を取得するなどして抵当権が消えていることを確認。書類に不備があったときは法務局から連絡が来るため、指示に従い補正する。
法務局が混雑していると通常より時間がかかることもあります。急いで手続きを済ませたい事情があるなら早めに動き始めましょう。
手続きにかかる費用
抵当権抹消手続きにはいくつかの費用が発生します。特に、ご自身で対応するケースと司法書士に依頼するケースとでは大きく金額が異なります。
費用内容 | 金額の目安 |
|---|---|
登録免許税 | 1,000円/不動産1件 |
登記事項証明書の取得費用 | 600円程度/1通 |
司法書士費用(依頼する場合) | 数万円程度 |
土地と建物がある場合だと、それぞれが別の不動産として扱われるため登録免許税は2,000円になります。
また、自分で手続きをすれば司法書士費用は不要ですが、書類の準備や法務局への申請に慣れていない場合は専門家に任せた方が誤りを防ぎやすいですしスムーズに進むでしょう。
自分で対応すべきか専門家に頼むべきか
法務局では事前の予約により相談に応じてもらえますし、時間に余裕があれば抵当権抹消手続きを自分で行うことも十分可能です。
ただ、不備があった場合の対応などで時間を割く必要がある点は考慮しましょう。窓口を利用する場合は平日の日中に時間を確保しなくてはなりません。仕事で時間が取りにくい方やミスなく確実に手続きを済ませたい方は、司法書士にご依頼いただくことをおすすめします。
